あなたはSachertorteを食べたことがありますか?ウィーンの有名な喫茶店ではどこでも注文することができますが、その発祥と発展にはこんな物語がありました。
~歴史~
Sachertorteの歴史は、1832年にまで遡ります。昔オーストリアには、Klemens Metternichという政治家がいました。その政治家の料理長が病に伏せ、その代わりにおもてなしをするよう命じられたのが当時16歳のFranz Sacherでした。そこで彼が考案したチョコレートケーキが、現在オーストリアを代表するケーキであるSachertorteの原形です。
その後Franz Sacherの息子であるEduard Sacherが、Demelでケーキ職人の修行している間に現在のSachertorteを作り出し、まずDemelでそのケーキの販売を開始しました。そしてその後現在の場所にHotel Sacherを創り、Sachertorteを売り出しました。Eduardと妻の死後、Hotel Sacherの経営は傾き、その援助に名乗り出たDemelにEduardの息子がオリジナルレシピと販売権を譲渡してしまいました。これがきっかけとなり、オリジナル商標をめぐる論争と裁判に発展していきました。
1954年、Hotel Sacherの支配人がDemelに対して訴訟を起こしたことにより、その後裁判は長い間続きました。
1963年、最終的には示談で決着が着き、Sacher側はオリジナルの商標、そしてDemel側はEduard-Sachertorte(エドアルドのSachertorte)の商標を得ることになりました。
オリジナルのSachertorte(写真左)は2層になっており、その間にアンズジャムが入っています。商標は円形です。
またDemelのSachertorte(写真右)は少し見えにくいですが、1層でチョコレートのコーティングのすぐ下にアンズジャムが塗られています。商標は三角形です。

Cafe SacherのSacher Torte

DemelのSachertorte
実際にCafehausでSachertorteを注文すると、Cafe Sacherの方は生クリームがたっぷりついた状態で出てきますが、Demelの方は自分で生クリームの有無を決めてから注文する形になります。
いずれにしてもこのあま~いチョコレートケーキは、ウィーンを象徴する名産品ですね!
まだ食べたことのない方は、ぜひお試しあれ!