ウィーンで活躍する日本人 Hiroko Huemerさん


このインタビューコーナーでは、 ウィーンにて様々な職業を通じて活躍されている日本の方へのインタビューをお送りしていきます。

第二弾となる今回は、バロックフルートの演奏家であり、後進の指導にも積極的に取り組まれているHiroko Huemerさんにお話を伺いました。

トラヴェルソを演奏するHiroko Huemerさん

~オーストリアとの出会い~

〇専門はフルートということですが、日本の出身地とどのようにしてフルートという楽器に出会ったのかを教えて下さい。

「出身は四国の徳島県です。中学生の時に吹奏楽部でフルートと出会い、高校3年生の時に日本の音楽大学を受験することに決めました。」

〇渡墺されたきっかけはフルートだったのですか?

「そうですね。最初はフルートの講習会に参加するため、日本で大学を卒業してからウィーンを訪れました。その後、プライベートレッスンを受けるため再び 渡墺し、7か月ほど滞在したんです。講習会では通訳の方が助けてくれましたが、プライベートレッスンでは言葉が分からずだいぶ苦労しました。しかし先生がとてもいい方で、本当にいろいろと助けてくれました。」

〇では、そのままオーストリアに残ることを決心されたのですか?

「実は個人的な事情で7か月滞在した頃、一旦実家に戻ることになったのですが、ウィーン滞在中に出会った男性と結婚するため、再びウィーンに戻ることを決めました。」

〇素敵ですね!その後ウィーンで大学へ進学されたのですか?

「はい。ウィーン国立音楽大学でフルートの教育を勉強しました。毎週教育実習がありとても大変だったのですが、その分ドイツ語の勉強に集中することもできました。また大学在学中に運命的に出会ったトラヴェルソ(バロックフルート)に感銘を受け、その楽器をより深く勉強するためリンツのアントン・ブルックナー音楽院へ進学しました。更にその後、ブリュッセル王立音楽院の研究科で勉強をしました。そこでは英語も求められ、語学の重要性を感じました。」

古楽器 トラヴェルソとチェンバロ


〇少し話は戻りますが、オーストリアに来て驚いたことやカルチャーの違いで感じたことはありますか?

「あいさつの時に両頬にキスを交わすことですね。握手はともかく、地域によっては3回交わすところもあるので、最初は驚きました。」

〇オーストリアのいいところや好きなところを教えて下さい。

「いろんな国へ行く中で、オーストリアのいい意味での大雑把さに気づかされました。表現するのは難しいですが、きちきちとし過ぎないところが好きです。それからオーストリアの自然もすごく好きです。私の出身地である徳島県には海があるので、波の飛沫を感じていましたが、例えばオーストリアのザルツカンマーグートにある湖は、同じ水でも静けさがありとても癒されます。ウィーンも首都ではありますが、自然の中を散歩できることもいいですよね。」

~語学の習得~

〇語学はどのように習得されましたか?

「日本で大学を卒業してからオーストリアを訪れるようになり、東京のハイデルベルクでドイツ語を学び始めました。でも実際にウィーンに行ってみると、全然使えなくて・・・。その後大学に行くようになってからは、とにかく書いて読みながら口に出す、ということを繰り返しました。五感を大いに使って覚える、ということですね。後は映画、特にジブリをドイツ語で観ました。ジブリはセリフが長くないので、聞き取りやすいし覚えやすいんです。ウィーンでは語学学校にも通いました。」

〇日本の語学学校とウィーンの語学学校で感じた違いはありますか?

「そうですね、ウィーンでは特に会話やコミュニケーションに重点を置いていましたが、日本では文法が中心でした。実際にはあまり使わないような練習も多かったような気がします。」

〇ドイツ語を勉強する上でのアドバイスはありますか?

「勉強方法は人によって違うと思いますが、失敗して覚えることが大切だと思います。とにかく失敗を恐れずにチャレンジするとよいと思います。間違えることで覚えることも多いですからね。その他には、やはりできるだけネイティブスピーカーと話すようにすることです。私は語学学校でできた友人と会うこともありましたが、彼らはネイティブスピーカーではないので、間違って学んでしまうこともあるんですね。なので、ネイティブスピーカーと話すことは正しく学ぶ上でとても大切だと思います。」

~仕事について~

〇海外で仕事をするということは、Hirokoさんにとってどんなことですか?

「難しいことではありますが、とてもやりがいがあります。特にオーストリアは個性を認めてくれる国なので・・・。日本での仕事や生活を窮屈に感じている方は、勇気を出して海外で何かにチャレンジしてみることもいいかもしれませんね。しかし海外で実際に仕事や生活をしてみて強く感じることは、言葉の重要性です。人から認めてもらうためにも、言葉の習得はとても大切だと私は思います。」

レッスン風景

Hirokoさん、素敵な時間をありがとうございました!

~お知らせ~

皆さんもバロックフルートの音色に癒されてみませんか?7月10日、また9月9日、10日にSt.Ruprecht教会にてバロック音楽のコンサートがあります。ぜひ足を運んでみて下さいね!

ウェブサイト: https://www.hiroko-huemer.com/ja/

次回もどうぞお楽しみに!