普段何気なく使っているヨーロッパの通貨「ユーロ」。
皆さんはそんなユーロのお札やコインをじっくりと見たことがありますか?
最近日本でも新紙幣の導入のニュースが世間をにぎわしていますが、
一体ユーロにはどんな絵が描かれているのでしょうか?!
ユーロが導入されたのは1999年のこと。実際に流通が始まったのは2002年でした。
つまり今年で導入20周年を迎えるわけです。
EU加盟国28か国の内、現在19か国がこのユーロを通貨として使用しています。
もちろんオーストリアもその1つです。
ユーロ貨幣
貨幣には、1セント、2セント、5セント、10セント、20セント、50セント、1ユーロ、2ユーロがあります。
円とは違い2という数字が入っていますね。

貨幣の表面は共通していますが、裏面は発行国ごとに異なったシンボルが描かれています。
オーストリアの貨幣を細かく見ようとお財布を開けてみましたが、意外と入っていないものです。今回見つけたのは5セントと20セントのみ。

ちなみにオーストリアの貨幣1つ1つには次の絵が描かれています。
・1セント リンドウの花(Enzian)
・2セント エーデルワイス(Edelweiss)
・5セント サクラソウ(Alpenprimel)
1,2,5セントにはオーストリアを代表するアルプスのお花が描かれています。右側のコインがサクラソウになります。
・10セント シュテファン大聖堂(Stephansdom):ゴシック建築
・20セント ベルベデーレ宮殿(Schloss Belvedere):バロック建築
・50セント セセッション(Secession):アール・ヌーヴォ
10,20,50セントにはオーストリアを代表する建築物が描かれています。
左側のコインがベルベデーレ宮殿になります。
・1ユーロ モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart):作曲家
・2ユーロ ベルタ・フォン・スットナー(Bertha von Suttner)ノーベル平和賞受賞者
1,2ユーロ貨幣はオーストリアを代表する人物の肖像が描かれています。
ユーロ紙幣
紙幣には、5ユーロ、10ユーロ、20ユーロ、50ユーロ、100ユーロ、200ユーロ、そして500ユーロがあります。
200ユーロと500ユーロ紙幣はまだ見たことがありませんが・・・。

貨幣にはその国々を象徴するシンボルが描かれていましたが、紙幣には全て同じ絵が描かれています。
これにはユーロは様々な国の人々が使用するため、1つの国を象徴する肖像やシンボルは避けられた、という理由があります。
では一体何が描かれているのでしょうか?
・5ユーロ 古典建築
・10ユーロ ロマネスク建築
・20ユーロ ゴシック建築
・50ユーロ ルネサンス建築
・100ユーロ バロック・ロココ建築
・200ユーロ アール・ヌーヴォ
・500ユーロ 現代建築
紙幣にはヨーロッパのそれぞれの時代を象徴する建築様式がモチーフとされた絵が描かれています。
しかしそれらは架空の建物であり、全体像ではなく、表には窓、裏には橋というように部分的にその時代が垣間見えるように描かれているのです。
また、描かれている「窓」や「橋」は、国同士の関係や交流を表現しているそうです。
お金1つとっても本当にいろんな意味やメッセージが込められていてとても面白いですよね。
ぜひ皆さんもお財布を開ける際には、少しそんなことを意識しながらお金を観察してみてくださいね!